ヒスタミン遺伝子検査について
ヒスタミンとは
ヒスタミンとは、植物や動物の中に自然に存在し、ヒスチジンというアミノ酸から私たちの体内で合成される、重要な興奮性の神経伝達物質です。消化、睡眠、血圧、性機能、脳機能など、少なくとも23個の身体機能に関与しています。ヒスタミンは水の様に透明、無色、無味であり、私たちの生命に欠かせない物ですが、数値が上昇し過ぎると命の危険につながります。
ヒスタミンは普段、好塩基球(白血球の1種類)と肥満細胞という2種類の細胞内に存在する、顆粒内に貯蔵されています。花粉、特定の食物、汚染、蚊の唾液などの外部刺激が私たちの組織に侵入してくると、免疫システムが反応をしますが、この反応の際にヒスタミンが放たれるのです。虫に刺された時に腫れたり赤くなったりするのは、ヒスタミンが炎症反応を起こしている証拠です。
ヒスタミン受容体
ヒスタミンは、体内の異なる場所にある4つのヒスタミン受容体と協力することにより、様々な機能を働かせています。
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ヒスタミンH1受容体:スキン
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ヒスタミンH2受容体:腸
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ヒスタミンH3受容体:神経
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ヒスタミンH4受容体:胸腺
ヒスタミンによる効果
ヒスタミンとヒスタミン受容体は、胃癌、すい臓癌、結腸癌、肺癌に影響を与え、癌の成長に関係します。
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あるがん細胞は、ヒスチジンデカルボキシラーゼという種類のヒスタミンを生産し、炎症細胞の活動を抑制する。
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消化不良、胃酸逆流、胃潰瘍の治療に用いられるヒスタミンH2受容体拮抗薬(H2ブロッカー)は、皮膚がんに拍車をかける。
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ヒスタミンは、癌の放射線治療による害を防ぐ。
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ヒスタミンは、心臓病、糖尿病、脳の変性、癌などの慢性炎症症を引き起こす糖化最終産物(AGE)の活動を妨げる。
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ヒスタミンH2受容体の活性化は、アテローム性動脈硬化症や、心臓発作、脳卒中、末梢血管疾患につながる動脈硬化のリスクを下げる
ヒスタミン不耐性について
ヒスタミン過剰性の問題
ヒスタミンは通常、ヒスタミン−N−メチル基転移酵素(HMT)とジアミン酸化酵素(DAO)という2種類の酵素に分解されますが、これらの酵素が体内で十分に生産されていなかったり、適切に働いていないと、ヒスタミン値をコントロールすることができなくなり、問題が生じます。そして、ヒスタミン過剰またはヒスタミン不耐性による症状に苦しむことになります。また、酵素が原因である他に、薬、ある特定の食物、汚染物質、更には洗剤など、ジアミン酸化酵素をブロックする物質によっても、ヒスタミンは過剰になります。
ヒスタミン不耐性の症状
ヒスタミンは通常、ヒスタミン−N−メチル基転移酵素(HMT)とジアミン酸化酵素(DAO)という2種類の酵素に分解されますが、これらの酵素が体内で十分に生産されていなかったり、適切に働いていないと、ヒスタミン値をコントロールすることができなくなり、問題が生じます。そして、ヒスタミン過剰またはヒスタミン不耐性による症状に苦しむことになります。また、酵素が原因である他に、薬、ある特定の食物、汚染物質、更には洗剤など、ジアミン酸化酵素をブロックする物質によっても、ヒスタミンは過剰になります。
ヒスタミンがカップから溢れる?
症状の現れ方や程度は、人それぞれ異なります。それはなぜでしょうか。まず、体をグラス、ヒスタミンを水に例えて考えてみましょう。
グラスの中には常に少量の水が入っています。これはアレルゲンからの攻撃を防ぎ、脳や消化を機能させるために体が合成している、私たちにとって不可欠なヒスタミンです。しかし、虫刺されや花粉などのアレルゲンにさらされると、体はより多くのヒスタミンを放出します。それによりグラスの水が少し増えます。そして、ウール製品やダニなどのアレルギーに接触すると、グラスの水はまた増えます。更に、ヒスタミンを多く含むチーズ、漬物、トマト、サラミ、貝類などの食物や、ワインや炭酸飲料などの飲み物を口にすると、グラスの水も更に増えます。この様に、体が分解できる量以上のヒスタミンが加わり続けると、次第にグラスの水はいっぱいになり、溢れ始めます。それと当時に様々な症状が出始めるのです。
また、ヒスタミン不耐性の方の80%は、中年層であるという研究結果が出ています。この事から、ヒスタミン不耐性というのは先天性のものではなく、長期的に発症する病気だということがわかります。
食物アレルギーヒスタミン不耐性
ヒスタミンの反応とアレルギー反応は非常によく似ており、抗ヒスタミン剤がアレルギー反応用の薬として使用されるなど、ヒスタミンはヒスタミン不耐性と食物アレルギーの両方に関わっています。しかし、両者の違いは明らかに存在します。食物アレルギーだと思っている方が、実はヒスタミンを分解するジアミン酸化酵素の不足やヒスタミン不耐性である場合もあるのです。実際に、食物アレルギーと症状が似ている事により誤診されているケースも多く、ヒスタミン不耐性がよく知られていない理由でもあります。
食物に含まれる有害にならない量のヒスタミンでさえ、食物不耐性の主な原因、または下痢、低血圧、頭痛、痒み、ほてりなどの症状の原因になり得ると言われています。
下記の違いを参考してみましょう。
食物アレルギー
ある特定の食物に対し、免疫システムが異常に反応。
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この特定の食物は、本質的に有害ではなく、人によって何も影響が出ない。
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反応が速い。
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微量でも反応が現れることがある。
ヒスタミン不耐症
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食物に含まれる、ある特定物質を体が吸収できない場合に起こる。
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食物アレルギーの様な症状が現れるが、免疫システムとは関係がない。
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重度の症状でも、命に影響を及ぼす事はない。
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乳糖不耐性や、グルタミン酸ナトリウムの様な添加物不耐性の様に、反応は即座ではなく蓄積型で、現れるまでに数時間かかることもある。
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プリックテスト(アレルギー検査)は陰性。
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IgE値(免疫グロブリンE値)は上昇しない。
ヒスタミン値が上がる原因①
通常ヒスタミンは、自然な体のプロセスとして血流に入り、ジアミン酸化酵素や抗ヒスタミン剤によって分解されますが、食物、酵素の減少、細菌、アレルギー、花粉、汚染水、薬、ストレス、ホルモンなどによって、ヒスタミン値が上昇し、ヒスタミン不耐性へとつながります。こちらでは、まず食物についてご紹介します。
ヒスタミンの管理 食事法
ヒスタミンを多く含む食物を口にすると、過剰にヒスタミンを吸収し、食物アレルギーに似た症状が現れ、酷い場合はヒスタミン中毒につながります。ヒスタミンは非常に多くの食物に含まれているため、乳製品やグルテンのように避けることができません。しかし、ヒスタミンが少ない食物を選ぶことで症状を改善することは可能です。
1.鮮度
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食物の鮮度が落ちるにつれ、ヒスタミン値は上昇します。
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新鮮な内に食べきるか、すぐに食べない場合はそのまま放置するのではなく、冷凍しましょう。
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ほとんどの野菜は、ヒスタミン値が少ないですが、トマト、ナス、ほうれん草、加工サラダは例外です。
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牛肉や鶏肉はヒスタミン値が少ないですが、こま切り、ミンチ、スライスの様に加工済みの物は、ヒスタミンが高くなります。
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ツナ缶など、加工された物はヒスタミンが高い。
2.熟成または発酵食品
チーズ、発酵大豆、漬物、アルコール、酢はヒスタミン値が高い。
3.生体アミンとポリアミン
下記は、食物の中に最も多く含まれている生体アミンです。
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ヒスタミン
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チアミン
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トリプタミン
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カダベリン
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スペルミジン
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プトレシン
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スペルミジン
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アグマチン
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フェニルエチルアミン
また、魚や肉製品にはドーパミンやオクトパミンも含まれています。食物内のアミノ酸から生体アミノへの分解は、呼吸問題、肌荒れ、痒み、熱、嘔吐、吐き気、高血圧など、アレルギー反応の様な症状を引き起こします。
プトレシンとは、腐った食物など悪臭を放つ物質で、腸の粘膜からヒスタミンを押しのける性質があります。グレープフルーツジュース、オレンジジュース、調理済み大豆はプトレッシンを多く含んでいます。
下記の様なチアミンを多く含む食物は、モノアミン酸化酵素を減少させ偏頭痛につながります。
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醤油
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高たんぱく質食品
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熟成チーズ
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肉
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魚
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赤ワイン
熟成チーズは、3つのポリアミン(スペルミジン、スペルミン、プトレッシン)
を多く含んでいます。ポリアミンは、結腸癌、乳がん、肺がん、前立腺がん、皮膚がんにつながると言われています。
4.硝酸塩などのヒスタミン放出物
食物に含まれるヒスタミンやアミンの他に、自然にヒスタミンを多く放つむっ質があるのではないかと考えられいます。その1つが硝酸塩です。下記の様な食物は肥満細胞から直接ヒスタミンを放ちます。
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生の卵白
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貝類
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イチゴ
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トマト
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魚
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チョコレート
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パイナップル
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アルコール
5.安息香酸塩などの食品添加物
安息香酸塩は、加工食品や、歯磨き粉やデオドラントの様なパーソナル製品、アゾ染料や防腐剤などの食品添加物もヒスタミンを放出します。そして、下記の食品には安息香酸塩が自然に含まれています。
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プルーン
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ほうれん草
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桃
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パパイヤ
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かぼちゃ
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大豆
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イチゴ
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ラズベリー
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小豆
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アボカド
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ベリー
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ネクタリン
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スパイス
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シナモン
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クローブ
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アニス
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カレー
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生姜
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チリパウダー
ヒスタミン値が上がる原因②に続きます。
*当チームのチームリーダーは、20年以上3万人を超えるクライアントをケアしてきました。日本の医師、プラクティショナーにまでご指導させていただいております。自身を持ってご相談下さい!