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クロストリジウム l 有機酸検査(OAT検査)

クロストリジウムとは

クロストリジウムとは、下痢の重要原因であるクロストリジウム・ディフィシル(C.ディフィシル)など、何種類もある細菌属であり、胃腸疾患や精神神経疾患に関与すると言われています。クロストリジウムは、土壌や生物の腸内に生息する腸内フローラの仲間です。

 

有機酸検査において、下記のクロストリジウムのマーカーが使用されています。この有機酸検査により、クロストリジウムの大便検査では難しかった事も明らかにできるようになりました。

 

  1. 3-(3-ヒドロキシフェニル)-3-ヒドロキシプロピオン酸(HPHPA)

  2. 4-ヒドロキシフェニル酢酸

  3. 3-インドール酢酸

  4. 4-クレゾール

有機酸検査(OAT検査)と大便検査の違い

有機酸検査(OAT検査)

 

  • 全検査において、C.ディフィシルのマーカーを使用。

  • 神経伝達物質の代謝を変化させ、毒性化合物を産生する3種類のクロストリジウム細菌のマーカー使用。

  • 重要な酵素であるドーパミンベータヒドロキシラーゼ(ドーパミンをノルエピネフリンに変換する)に対して、クロストリジウム代謝物の阻害を評価。

  • 尿の検査なので楽。

  • 病原性のクロストリジウムのマーカー、HPHPAを使用。

 

大便検査

 

  • クロストリジウムの総数のみを検査

  • クロストリジウム・ディフィシルの検査は別。

  • 試験は追加費用である。

  • 良いクロストリジウムと悪いクロストリジウムの違いが検査できない。

  • 神経伝達物質への影響を評価できない・

  • 大便を使用するので、尿よりも非衛生的で不愉快。

  • クロストリジウムの特定の種類を検出できない。

クロストリジウム過剰による症状
  • 自閉症

  • 広汎性発達障害

  • 強迫神経症

  • 双極性うつ病、うつ病

  • 慢性疲労症候群

  • 関節炎

  • 注意欠陥障害

  • 発作障害

  • 潰瘍性大腸炎

  • トゥレット症候群

  • パーキンソン病

  • アルツハイマー病

  • 統合失調症

  • 食欲不振

  • チック障害

  • 不安

  • 精神病

  • 過敏性腸症候群

クロストリジウムと神経伝達物質

脳、副腎、交感神経系における神経伝達物質の産生のための代謝経路をご紹介します。この経路およびクロストリジウム経路の鍵となる物質は、アミノ酸フェニルアラニンです。

 

  1. クロストリジウムは、食物からのタンパク質やアミノ酸サプリメントから摂取するフェニルアラニンチロシンは、血液脳関門を通過して脳に入り、腸管からの血液に吸収されます。

  2. 脳内のフェニルアラニンは、フェニルアラニンヒドロキシラーゼによってチロシンに変換されます。

  3. チロシンは、チロシンヒドロキシラーゼによって、ジヒドロキシフェニルアラニンに変換されます。

  4. ジヒドロキシフェニルアラニンは、ジヒドロキシフェニルアラニン脱炭酸酵素によって、ビタミンB6補因子とし、ドーパミンに変換される。

  5. さらなるドーパミン代謝は、ニューロンの種類によって左右されます。

  6. ドーパミンを代謝するニューロンでは、ドーパミンがホモバニリン酸に代謝される。ホモバニリン酸は有機酸検査で測定することができます。

  7. ノルエピネフリンを含むニューロン、末梢中枢神経系ニューロン、および副腎では、ドーパミンがドーパミンベータヒドロキシラーゼによって、ノルエピネフリンに変換される。その際、ドーパミンベータヒドロキシラーゼは、補因子としてアスコルビン酸とコッパーを必要とします。

  8. 副腎では、ノルエピネフリンがエピネフリンに変換されます。エピネフリンとノルエピネフリンの両方は、バニリルマンデル酸に代謝することができる。

 

クロストリジウム属において、フェニルアラニンは、ヒト酵素と細菌酵素の両方を必要とする経路を通りHPHPAに変換されます。クロストリジウム・ディフィシルが存在する場合は、チロシンの大部分が4-クレゾールに変換されます。これらの副生成物は、その後腸管を通って体内に吸収されますが、その際にドーパミンベータヒドロキシラーゼを阻害する能力をも持ってしまい、ドーパミンがノルエピネフリンへ変換するのを阻害します。

クロストリジウムの治療法

抗生物質

経口抗生物質であるメトロニダゾールやバンコマイシンは、クロストリジウムの栄養細胞の治療に非常に有効です。高用量の抗生物質を使用する時は、プロバイオティクスと併用するとより効果的です。しかし、抗生物質は胞子に対しては効果がありません。

 

抗菌ハーブ


 

パルスプロセス

一定期間の間、抗生物質を使用しないという治療法をパルスプロセスと言います。パルスプロセスを行うことで、抗生物質耐性胞子を抗生物質感受性栄養形態に戻すことが可能です。また、パルスプロセスはクロストリジウムの再発を著しく減少させることができます。

 

サッカロミセスブラウディ

サッカロミセスブラウディは、胃腸管の腸内フローラをサポートするのに役立つ、コロニーを形成しない(カンジダに関係しない)イースト酵母菌です。サッカロミセスブラウディは、1カプセルあたり30億以上のCFUを含有します。研究により、サッカロミセスブラウディは体の免疫反応を調節し、悪い細菌に対する耐性を向上させることができると示されています。

 

サッカロミセスブラウディは、他のプロバイオティックと併用することができますが、ナイスタチン、ジフルカン、グレープフルーツシードエキス、オレガノオイルなどの天然抗真菌や処方箋を服用してから2時間以内に摂取することは避けて下さい。

 

ラクトバチルス菌

ラクトバチルスラムノサスを含むラクトバチルス菌は、イースト酵母菌であるサッカロミセスブラウディ同様に、クロストリジウムディフィシル感染症の再発に有効であると証明されています。

*当チームのチームリーダーは、約10年に渡り日本の医師や栄養療法士にアドバイス、ご指導させていただいております。何でもご相談、ご質問下さい!

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